伊藤 阿二子 この秋毎月の半ば過ぎ 満月を過ぎてもふっくらと 南の空に浮かんでいる 十七という数字が 思いの片隅に いつからか 月と共に ずっと座を占めている 心弾む 安堵の日があり 幾人かで杯を上げて賑わった日も 突然の 別離の時を迎え 慌ただしく旅立った日もまた その日には 気持ちが朝から 訳知らず 小さな予感に波立つ 夕刻 月を見上げ 過ごしたひと日の平安に掌を合わす 月毎の小さな決めごと
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