絵の家

今月の詩

12月の詩

「十七日のこと」

                             伊藤 阿二子
この秋毎月の半ば過ぎ
満月を過ぎてもふっくらと
南の空に浮かんでいる

十七という数字が
思いの片隅に いつからか
月と共に
ずっと座を占めている

心弾む 安堵の日があり
幾人かで杯を上げて賑わった日も

突然の 別離の時を迎え
慌ただしく旅立った日もまた

その日には
気持ちが朝から
訳知らず 小さな予感に波立つ

夕刻 月を見上げ 
過ごしたひと日の平安に掌を合わす

月毎の小さな決めごと


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